葬儀の際、どうしても棺に入れられないぬいぐるみがあります。特大サイズのものや、素材が火葬に適さないもの、あるいは代々受け継がれてきた価値のあるものなどです。しかし、故人との関わりが深い以上、何らかの形で葬儀に関わらせたいと思うのが人情です。そのための代替案として、まず考えられるのが「デジタル参加」です。ぬいぐるみの写真を大きく引き伸ばしてパネルにし、祭壇の横に飾ります。まず、ぬいぐるみを納めるタイミングは、最後のお花入れの時が一般的です。これならば、どんなに大きくても、どんな素材でも問題ありません。遺影の横に小さなぬいぐるみの写真が並ぶ様子は、微笑ましくもあり、故人の愛した世界観を表現するのに最適です。次に、ぬいぐるみの「一部」だけを納める方法です。衣服の一部を切り取ったり、タグだけを取り外して棺に納めたりします。本体は手元に残りますが、物理的な繋がりを持って旅立つことができます。また、葬儀の中で「お別れのメッセージ」をぬいぐるみに託すという演出もあります。参列者に小さなメッセージカードを書いてもらい、それをぬいぐるみのポケットや手元に集めます。火葬できない本体は後日供養に出しますが、メッセージカードだけを棺に納めることで、参列者の想いを故人に届けることができます。さらに、葬儀後の自宅供養という道もあります。葬儀の期間中は祭壇の主役として飾り、四十九日までの間は後飾り祭壇に置きます。そして時期が来たら、人形供養を行っている神社や寺院にお願いし、お焚き上げをしてもらうのです。これならば、葬儀という急ぎの場面で無理に火葬の可否を判断する必要がなく、じっくりと時間をかけてお別れをすることができます。ぬいぐるみを棺に入れることだけが供養ではありません。素材やサイズの制約を乗り越え、いかにして故人の想いを形にするか。その創造性こそが、現代の葬儀に求められている優しさだと言えるでしょう。形を変えても、そこに込められた愛情が変わることはありません。