私は幼い頃からずっと大切にしていたクマのぬいぐるみがありました。祖母が亡くなった際、母がそのぬいぐるみを祖母の棺に入れてあげようかと提案してくれた時のことを今でも鮮明に覚えています。葬儀の準備が進む中で、愛着のある品を故人と共に送るという行為が、いかに遺族の悲しみを和らげるかを肌で感じました。しかし、実際にはどんなものでも棺に入れられるわけではありません。葬儀スタッフの方から説明を受けたのは、燃焼時に問題となる素材についてでした。最近のぬいぐるみは化学繊維が多く使われており、それが溶けてお骨に付着してしまうと、綺麗に遺骨を残すことが難しくなるそうです。また、目や鼻のパーツがプラスチック製の場合も注意が必要でした。私たちは最終的に、そのぬいぐるみを棺に入れるのではなく、式の間ずっと祖母の枕元に飾り、最後のお別れの花入れの際に、ぬいぐるみが身に着けていた小さなリボンだけを切り取って祖母の手に持たせることにしました。ぬいぐるみ本体は、祖母の形見として私が引き継ぐことに決めたのです。葬儀という限られた時間の中で、何を一緒に火葬し、何を手元に残すかを判断するのは非常に難しい決断ですが、火葬場の規定を知っておくことでスムーズに決めることができました。もしも大きなぬいぐるみをどうしても入れたい場合は、中綿を一部抜いて燃えやすくする工夫を提案されることもあるそうです。葬儀は故人のためだけでなく、残された私たちが区切りをつけるための儀式でもあります。ぬいぐるみという特別な存在をどう扱うか、それは家族それぞれの答えがあって良いのだと感じました。これから葬儀を控えている方には、まず斎場のルールを確認し、その上で故人の想いと自分たちの気持ちを整理することをお勧めします。形を変えて一緒に送る方法や、写真にして納める方法など、選択肢は1つではありません。後悔のないお別れをするために、ぬいぐるみとの向き合い方を家族で話し合ってみてください。
最期の時を大好きなぬいぐるみと過ごすための準備