私は葬儀ディレクターとしてこれまで15年間にわたり、3000件以上の式に立ち会ってきました。その中で強く感じるのは、葬儀の種類に対するお客様のニーズが以前とは比べものにならないほど多様化しているということです。15年前は、祭壇の大きさや供花の数で式の格が決まるような風潮があり、一般葬が当たり前でした。しかし現在では、大きさよりも「その人らしさ」をいかに表現するかが重視されています。例えば、家族葬を希望されるお客様の中でも、単に少人数で行うだけでなく、故人が好きだったコーヒーを参列者全員で淹れて飲む時間を設けたり、趣味で描いていた絵画を会場いっぱいに展示したりといった、パーソナルな演出を希望される方が増えています。また、一日葬の需要も急増しており、遠方から来る親族の宿泊負担を減らしたいという現実的な理由に加え、凝縮した時間の中で濃密なお別れをしたいという要望に応える形となっています。一方で、葬儀ディレクターとして最も気を遣うのは、選ばれた葬儀の種類と、地域の風習や親族の期待との間にギャップが生じた時です。遺族が直葬を希望していても、年配の親族から「世間体が悪い」と反対されるケースは今でも少なくありません。そのような場合、私たちは間に入って、火葬の前に短いお別れの時間を設けるプランを提案するなど、双方の納得点を見つけるお手伝いをします。葬儀の種類を決めることは、単にプランを選ぶことではありません。故人が歩んできた人生を肯定し、残された人々がその死を受け入れるためのプロセスを設計することなのです。最近ではオンライン葬儀という新しい種類も登場し、海外に住む家族が画面越しにお別れを告げる光景も珍しくなくなりました。技術が進歩し、価値観が変わっても、大切な人を思う気持ちの本質は変わりません。私たちはプロフェッショナルとして、お客様がどの葬儀の種類を選ばれたとしても、その選択が正解であったと思えるように、細やかなサポートを尽くすことを信条としています。多様化する現代だからこそ、固定観念にとらわれない柔軟な葬儀の提案が求められているのだと痛感する毎日です。