無宗派葬儀は、決まった形式がないからこそ「何をすれば良いのか分からない」と戸惑ってしまうご遺族も少なくありません。しかし、難しく考える必要はありません。その基本は、「故人が生前好きだったこと」「故人の人柄が最もよく表れているもの」を式の中心に据えることです。ここでは、心に残る無宗派葬儀を創り上げるための、具体的なアイデアをいくつかご紹介します。まず、多くの無宗派葬儀で取り入れられているのが「音楽」です。故人が愛した曲を生演奏やCDで流すだけで、会場の雰囲気は一変し、その人らしい空間が生まれます。クラシック、ジャズ、歌謡曲、ポップスなど、ジャンルは問いません。故人の人生の節目に寄り添ってきた曲や、家族との思い出の曲などを選曲し、プログラムに組み込むと良いでしょう。次に、視覚的に故人を偲ぶための「映像」や「展示」も効果的です。子供の頃から晩年までの写真をスライドショーにまとめ、思い出の曲と共に上映すれば、参列者は故人の歩んできた人生を共に振り返ることができます。また、祭壇の横やロビーに「メモリアルコーナー」を設けるのも素晴らしい演出です。故人が描いた絵や、作った陶芸作品、愛用していた趣味の道具(釣竿やゴルフクラブなど)、大切にしていたコレクションなどを飾ることで、遺影だけでは伝わらない、故人の多面的な魅力を伝えることができます。それぞれの品に、短い説明書きを添えると、より物語が深まります。そして、式の中心的な儀式となるのが、焼香の代わりに行う「献花」です。参列者一人ひとりが、故人の好きだった花や、白いカーネーションなどを祭壇に捧げながら、心の中で最後のお別れを告げます。この静かな時間は、故人と一対一で向き合うための、かけがえのない瞬間となります。これらの要素をどのように組み合わせるか、あるいは全く新しいアイデアを取り入れるかは、ご遺族の自由です。故人への感謝と愛情を形にするために、家族でアイデアを出し合う時間そのものが、きっと最高の供養となるはずです。
心に残る無宗派葬儀の作り方