メモリアルボードを作成する際、その中心となるのは、やはり故人様の「写真」です。しかし、その表現方法は、一枚の遺影とは比較にならないほど、自由で、創造性に満ちています。時系列に沿って、赤ちゃんの頃の写真から、学生時代、結婚、子育て、そして晩年の穏やかな表情へと、その人生の軌跡を辿るように並べるのも、一つの美しい物語となります。あるいは、「家族との時間」「趣味への情熱」「仕事仲間との絆」といったように、テーマ別に写真をグループ分けして展示するのも、故人の多面的な魅力を伝える、素晴らしい方法です。写真は、かしこまった記念写真だけでなく、旅行先での屈託のない笑顔や、趣味に没頭する真剣な横顔、孫と遊ぶ何気ない日常の一コマといった、スナップ写真をふんだんに使うことで、より生き生きとした、その人らしいボードに仕上がります。そして、メモリアルボードの魅力は、写真だけに留まりません。故人の人柄を、より深く、そして温かく伝えるために、様々な「思い出の品」をそこに加えることができます。例えば、故人が愛用していた万年筆や、眼鏡、大切に読んでいた本の1ページ。趣味で描いていた絵や、詠んでいた俳句、あるいは、子供や孫から贈られた、少し拙い似顔絵や手紙。そうした、故人の手沢(しゅったく)に潤んだ品々は、写真以上に、その人の温もりや息遣いを、私たちに伝えてくれます。また、ボードの一角に、小さなメッセージカードとペンを用意し、参列者が故人への最後のメッセージを書き込めるようにする、というアイデアも素敵です。葬儀が終わる頃には、そのスペースは、多くの人々からの、温かい感謝の言葉で埋め尽くされていることでしょう。写真、言葉、そして思い出の品々。これらの要素を、自由に、そして心を込めて組み合わせることで、世界に一つだけの、故人の人生を讃える、かけがえのないアート作品が完成するのです。
写真だけじゃないボードの作り方